トスカーナのアグリツーリズモを手伝った話

JUGEMテーマ:イタリア

 

「銀行をやめてトスカーナの農家でオリーブ収穫を手伝った話」

http://blog.narradesign.com/?eid=1

で触れた、アグリツーリズモについてのお話です。

 

アグリツーリズモとは、イタリア語で「農業」を意味する "agricoltura" と、「観光」 "turismo"  をくっつけて作られた

言葉です。日本で言えば「農家民宿」ですね。

農家が経営する民宿で、彼らが作った農作物を使って供される家庭的な料理や、豊かな自然などを楽しむことができます。

それぞれのアグリツーリズモで体験型のアクティビティ(釣りとか)なども用意されていたりします。

 

私はもちろん宿泊客ではなく、オリーブ収穫をご一家と一緒にやっていたわけですが、2週目にアメリカから8人ほどのグループがやってくるとのことでした。

宿泊用のヴィラ(2階建と3階建)が合計2つあり、両方を1週間利用するということでホストの一員として毎日の清掃や料理などを手伝うことになりました。

 

 

後で聞いた話ですが、当初は私はこの第2週目は彼らの知人の女性宅(農家)に移されることが検討されていたようです。

確かに、異国から来た初対面の人間に、大切なお客様のおもてなしさせるのはかなりリスキーに感じるでしょうから、大いに納得できます。

でも結局は、その大役を私も仰せつかることになりました。といっても、私はアシスタントで、こまごましたことをするだけでしたが。

 

それまでに日本でやっていた仕事では、数字を一つ入力ミスするだけでも、お金を一円数え間違えるだけでもおおごとになるという緊張感が常にありました。

そういうのなしで、全部指示してもらったことをやればいいというのは、随分と気が楽でした。

いや、お給料などはもらってないのでもちろんそりゃそうなのですが。

 

やってきたグループ客の方々はみなさん30代前半くらいで同じ会社の同僚ということでした。とても気さくで、明るい人たちでした。

もちろん彼らが話すのは英語のみなので、農家のお父さんは英語で対応していました。

私は農家一家と話すときはイタリア語でどうにか会話していたのですが、1週間続けた後で頭が疲れ始めていたので、英語の到来は恵の雨のような感じでした。すごい頭がラクになったのを覚えています。

人の言っていることが分かるという感覚が、どれだけありがたいものか心の底から実感しました。

 

正直、私のイタリア語がカタコトすぎて一家に対して申し訳なく思うことが多々あったので、英語でお客さんとコミュニケーションが取れることで通訳などもちょこちょこでき、少しは役に立てたかなと思い嬉しかったです。

 

ヴィラの清掃などは、一家が雇った近所の女性(アンナ)と一緒にやりました。

客室はどれも素敵な内装で日当たりも良く、アメニティなども洗練されてて、ダイニングにはいつも焼き菓子を用意するようにしていました。

 

お客さん方は日中は車で出掛けてシエナやフィレンツェなどの都市を観光し、夕方帰ってくるという感じでした。

最終日前日だけ出掛けず、マンマの料理教室でみなさん一緒にパスタやラグーソース、ティラミスなどを作りました。

それらを食べるディナーには、私たちホストに「ぜひ一緒に食べよう」と提案してくれたので、みんなで食卓を囲みました。

 

手打ちパスタ

手打ちしたパスタ

 

イノシシのラグー

近所で獲れたイノシシで作ったラグーソースは肉の仕込みを入れると3日くらいかかった。

食材は基本的にオーガニックの地元産を使用。

とにかく豊かな味わいで、感動的な一皿でした。

私の中の「イタリア料理」の概念が大幅アップデートされた感覚でした。

もうそれより以前には戻れない...みたいな...

 

キアンティ・クラシコ

キアンティ・クラシコ

 

基本的にランチはここで食べ、ディナーは室内

 

搾りたて自家製オリーブオイル

 

ゲストたちは料理に大満足してくれて、食後酒までワイワイと一緒に食事を楽しみました。

 

このアグリツーリズモはワイン畑とオリーブ畑に囲まれ、一番近い商店まで車で1時間くらいかかるような場所にありました。

とにかく静かで、聞こえるのは木々の葉ずれと鳥の声だけ...

ホスト一家は陽気で人間味にあふれ、ホスピタリティに満ちた人たちでした。

環境に配慮しオーガニック食材を使った料理も毎回美味で、かつ、家庭的なあたたかさがありました。

 

私が思う「イタリアという国の良さ」を満喫できる場所だなあと感じた場所でした。

コメント