銀行を辞めてトスカーナの農家でオリーブ収穫を手伝った話

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イタリアのトスカーナ州中部にあるシエーナ(Siena)。その中心部からバス+車で1時間くらいに、ワインの「キアンティ」や「キアンティ・クラシコ」で有名なキアンティ(キャンティ)地方があります。

 

なだらかな丘陵が続き、道の両側などに糸杉が規則正しく植えられていてとても美しい景観が広がっています。

 

 

 

5年以上前の秋のことになりますが、その地域でブドウとオリーブを作る農家に数週間住み込んで収穫を手伝ったことがありました。

 

それ以前は、私、日本国内の地方銀行で銀行員をやっておりました。

平日は毎日決まった時間に出勤、制服を着て窓口でお金を数えていたわけです。

4年半くらい働いて、「イタリアの農家を見たい」と言って退職しました。

 

テレビや映画で見たトスカーナという土地の風景を、なんとなく思い描きながら赴いたわけですが、

「とは言え、メディア上で美化されたイメージ通りのものを見られるとは思わないでおこう」

と自分に言い聞かせながらの道中でした。

 

実際、キアンティ地方に向かうバスから見える景色は、殺風景な外観の集合住宅が密集していたり大型スーパーやガソリンスタンドがあったりと、現代人の「あたり前」の生活感があたり前に広がっています。

「別に景色を楽しみに来たわけじゃないから、問題なし。現地感サイコウ」

と頭の中でブツブツしながらバスを降り、何もない道路脇で農家のお父さんの車を待ちました。

 

30分ほどして現れた彼は、背が高く良く日に焼けていて、白髪に白いヒゲで縁取られた顔でにっこりと笑う素敵なおじさんでした。

「君がナラ?よく来たね。よろしく!」

メールでしかやりとりした事がなかったので、どんな人かと不安に思っていた気持ちは、その笑顔を見て一瞬で吹き飛びました。

 

そして農家に着いたらこれです。

 

なんというか、おとぎの国かなんかかと思いました。

あまりに「トスカーナ」すぎる光景が広がっていて、現実感なかったです。

 

そしてこれがオリーブ畑。

ブドウは時期が終わっていて、私がいた11月頃はオリーブの収穫シーズンでした。

大規模な農家は機械を使って枝を揺らして収穫したりするみたいですが、ここは全部人力でやってました。

 

毎朝8時頃から11時まで家の裏手の丘にある畑で作業して、家に戻ってマンマお手製の昼ご飯を食べた後、昼寝タイム(笑)がたっぷり14時頃まで。そしてまた畑に行って、太陽が背後の山にかかって日が陰ってくる17時くらいに引き上げる。

作業の間もすごいユルい感じで、お父さんと時々息子2人(20代前半)と始終おしゃべりしながらやってました。

お父さんはクロサワ映画、息子たち(特に兄)は日本アニメがそれぞれ好きで、私より全然詳しかったです。

 

彼らはアグリツーリズモ(農家民宿)も経営していたので、途中でアメリカからの団体のお客さんが来て1週間ほど滞在しました。

その間は、そちらのおもてなしをする時間が多くなりました。

それはそれでおもしろかったのですが、長くなりそうなので、また別の機会にそういったこともお話しさせていただければと思います。

 

キアンティのワインやオリーブ、トスカーナ以外にも訪れた都市のことなどもこれから少しずつご紹介する予定です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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